沖縄に学ぶ、長寿食の秘密!: そら情報
講演会の中で琉球大学教育学部の平良一彦教授は日本一の長寿村とされる沖縄県大宜味村を取り上げ、長寿の要因について講演した。平良教授は13年前より沖縄の高齢者の疫学調査を行っているが、恵まれた自然環境以外に食事内容が長寿に大きく関わっていると指摘、大宜味村と秋田県の村の食習慣を比較しながら、長寿をもたらす要因を挙げた。
人口10万人あたり100歳を超える高齢者、日本で沖縄がトップ(※1999年のはなしであり今は順位が転落した)
「毎年9月15日前後に公布される人口10万人あたりに100歳を超える老人がその地域にどれだけいるかという厚生省の調査で、去年(※1998年)のデータで、沖縄は1位で28.7人。2位は高知、3位が島根」(平良教授)。60歳以上の高齢者の平均余命(※あと何年生きられるかという年齢)をみても、沖縄は他県の追随をゆるさない、と平良教授はいう。
また疾病の罹患率も、「沖縄県人の過去20年間の厚生省のデータを調査してガン、脳卒中、心臓病の死亡率を調べたところ、全国を100とした場合、この数字が100より小さければ小さいほど、病気による死亡が少ないといえるが、沖縄は脳卒中は57、心臓病は65、がんは82で、他の地域と比べかなりいい結果が出ている」(同氏)という。
平良教授は13年前より、文部省の助成を得て、東京都老人総合研究所と提携し、沖縄の高齢者と長寿についての疫学調査を行ってきた。調査は沖縄の大宜味村(人口約3,500人)を対象に行った。同村は100歳を越える高齢者が2〜5人、90歳を超える高齢者が70人近くいるといわれ、「長寿村日本一」の折り紙もついている。
講演の中で、平良教授は、大宜味村に代表される沖縄の高齢者の長寿の秘訣に ついて、1)休養と栄養のバランスがいい、2)温暖な気候で気候の年格差よる身体へのストレスが少ない、3)地域とも交流が密接で、社会活動に積極的、という3点を挙げた。さらに、1)について、平均寿命の短いとされる秋田県の農村との食事内容の比較調査を挙げ、健康への影響について言及した。
食塩の摂取量が日本で一番少なく、豚肉は脂肪を抜き頭から足の先まで無駄なく利用
大宜味村の高齢者の食事内容については、下記にその特徴を示したが、日本の伝統食の短所を全てカバーしたものになっている。というのも、食塩(塩化ナトリウム塩)の摂り過ぎについては、日本人は昔からよく指摘されるところだが、沖縄は日本で摂取量が最も少ない。
「以前、NHKの番組で、全国から人を集めて水の 中に食塩が入っているかどうか舌で調べる番組がありましたが、沖縄県人の反応が圧倒的に早かったとか。それだけ日頃から薄味に慣れているということでしょう」と平良教授。ちなみに厚生省は1日の摂取の上限を10gとしているが、秋田の農村は平均で14g、大宜味村は9gの摂取といわれる。
また、大宜味村は秋田の農村と比べて肉類の摂取が2.5倍と多いが、「沖縄は仏教の影響によって動物の肉を食べるなということがなかったため」(同氏)という。大宜味村の高齢者は平均して毎日50gの肉を摂るという。これに対し、秋田県の農村は毎日の平均が20gという。
また、沖縄では肉は特に豚肉を多く用い、頭から足の先まで無駄なく利用しているという。全体を摂ることで、過不足のない栄養成分の補給がなされている。また調理についても時間をかけて脂肪分を抜くといわれ、健康管理のための合理的な料理法を先人から受け継いでいる。
日本の伝統的食生活
<長所>・米が主食/魚蛋白が多く、魚油の摂取が多い/ 海藻の摂取量が多い/ 大豆が多い
<短所> ・食塩が多い/ 動物性蛋白質が少ない /乳製品が少ない/ 野菜・果物が比較的少ない
大宜味村と秋田の農村との食事内容の比較
大宜味村では� />
☆沖縄のお正月料理☆
このとき(1999年)、すでに「長寿県沖縄」は危ぶまれていた。お年寄りは元気だが、その次の世代に生活習慣病や肥満が増え、逆さ仏減少がでていたからだ。
この講演会でもこうむすばれていた。
「沖縄は今後も日本随一の長寿県として名を馳せるであろうことは間違いないが(予想は外れた)、現在、専門家の間で短命化を招く要因として指摘されているのが、中年層以下の生活リズムの夜型や脂肪摂取量の増加、歩く機会の減少など。
皮肉にも便利で快適な生活が人間を不健康にしている。多少の不便さは身体に抵抗力をつける妙薬ともいえるかもしれない。やはり長寿村として知られている山梨県檜原村はバイパスなど交通手段の整備が進むにつれ、運動量の減少やコンビニなどによる手軽な食生活で以前とは状況が異なってきているとも伝えられている。」
沖縄の長寿神話はくずれた!「26ショック」
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